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8月の日ざし

 伊香保のせみも天から降ってくるように聞こえる。暑さとともに。到着なさるお客様はそれは暑そうに、見るからにわかる面ざしであります。
 冷たいプーアル茶でのどを潤し、ほっと落ち着きをだんだんと取り戻されていくのが伝わってくる。
 たった半月の夏であるが、またこれが大切で愛しいと感じます。

 日がかげり始めるとミンミンぜみからカナカナぜみへと鳴き声が入れ替わる。ヒグラシの声が聞けるのは、暑さが一段落する時間だ。
朝と夕方、まわりが暗い時間にしかヒグラシは鳴かない。

 日が傾くと少しだけ涼しくなる。
その頃ちょうどお客様はご夕食のお時間。
薄暮、料亭の裏山の木立は夏戸ごしに…。
BGMにカナカナという声は昼間の暑さを遠ざけてくれる。
 どうしても、この時期にしか味わえない私の大好きな風景です。

 八月も終わりになると同じ声がかなしく、せつなく聞こえはじめるのは、なぜでしょう。

[ 女将のブログ ]

投稿者 hibikino : 2007年08月12日 20:32